エブリデイ味噌汁。

白状します。 

 

子どもを産むまで食生活、はちゃめちゃでした。 

キッチンはそれはそれは美しく 

使われた形跡まったくなし。 

コーヒー好きだから、お湯くらい沸かしてたかな。 

炊飯器はたまに思い出したように湯気を上げることがあったかも。 

給料日前とか。 

 

編集の仕事って、そのくらいハードなんです。 

うそです。 

私がやってる媒体は全然そんなことありませんでした。 

特別忙しい時期じゃない限り、 

ふつうに朝9時に出勤して、7時くらいにはさくっと帰ってました。 

なので、若き日の私の食が荒れていたのは 

ひとえに自分の怠惰ゆえです。 

だって、そこにコンビニがあるんだもの。 

 

見かねた編集部の先輩に、ある日諭されました。 

「味噌汁だけは食べなさい」 

具なんてなしでいいから、 

お出汁とって、味噌といて。 

それだけ啜っておけば大丈夫、と。 

 

なんと、それから続いているんです。 

なんと、いまに至るまで。 

パスタの日もガパオライスの日も、かたくなに。 

なんならポトフやラタトゥイユのときだって。 

エブリデイ味噌汁。 

 

パンの日もご飯の日も 

有無をいわせずついてくる給食の牛乳と同じです。 

 

なぜかって? 

簡単なんです、味噌汁。 

 

まず、出汁をとるのが簡単。 

夜、水をはった鍋に昆布と煮干しをぽいっと沈めて 

はい、おしまい。 

朝にはほんのり色づいて、 

健やかなる出汁がお出ましになっております。 

 

日本の出汁って世界一、簡単。 

ブイヨンとかフォンドボーなんて大変ですよ。 

あれやこれやいろんな材料入れて、 

何時間もぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつ

ぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつ

ぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつ。 

 

近ごろ話題のイタリアの出汁、ブロードも 

香味野菜やらなんやらたくさん入れて、 

じっくり煮詰めて、 

最後は漉してって 

やっぱり大変です。 

 

なんで日本の出汁がこんなに簡単かっていうと、 

出汁を取る前に、時間がかけられているからなんですね。 

昆布も煮干しも、じわじわじっくり乾かして 

旨味をぎゅっと凝縮させてます。 

鰹の本枯れ節づくりなんて、もっと大変な手間です。 

その手間のあとに、 

最低でも3ヵ月は熟成させるって聞きますから

ひまもかかってる。 

 

そんなありがたき乾物さまのおかげで 

手軽に出汁がとれ、 

私でも続けられる味噌汁がつくれるわけです。 

 

あれ、1000字超えたけど 

まだ味噌汁のこと書けてない。